語用例: 「着ている」
日本語の「着ている」は
- 「今、服を着ている途中」(動作の継続)
- 「すでに服を着ていて、その状態が続いている」(状態の継続)
がある。プリャンナでは、この2つのニュアンスは、語彙アスペクトと文法アスペクトの組み合わせで表現し分けることができる。
「今、服を着ている途中」(動作の最中)
「継続活動(Durative Activity)」の語彙アスペクトと、「進行相(Progressive Aspect)」の文法アスペクトを組み合わせることで「(服などを)着ている最中である」を表現できる。
- 語根: 「着る」 (√čhyæ̃w)
- 語彙アスペクト: 継続活動 - (-æf) → (čhyæ̃wæf)
- この (čhyæ̃wæf) は、「着る」という動作が継続している活動であることを示す。つまり、「着る行為が進行中」というイメージ。
- 文法アスペクト: 進行相 - (-eũ) → (čhyæ̃wæfeũ)
- この - (-eũ) は、その「継続している活動」が今まさに、話者の目の前で展開していることを示す。
例文:
シャツ
čhyæ̃wæfeũm ta シャツ
彼はシャツを着ている(彼は今、シャツを着ている最中である)。
「すでに服を着ていて、その状態が続いている」(状態の継続)
「結果状態(Resultative Stative)」の語彙アスペクトと、「中立相(Neutral Aspect)」の文法アスペクトを組み合わせることで「(服などを)着用している状態である」を表現できる。
- 語根: 「着る」 (√čhyæ̃w)
- 語彙アスペクト: 結果状態 - (-ũl) → (čhyæ̃wũl)
- この (čhyæ̃wũl) は、「着る」という行為が完了した結果、その状態が持続していることを示す。つまり、「着た結果として、今も来ている」イメージ。
- 文法アスペクト: 中立相 (接辞なし)
- 「着用している」という状態を、特定の時間的な区切りや強調なしに、中立的に記述する。
例文:
美しいドレス
čhyæ̃wũl ta 美しいドレス
彼女は美しいドレスを着ている(彼女は、美しいドレスを着用している状態である)。